オープンベータ
Bimly は現在ベータ公開中です。機能・料金は正式リリースまでに変更される可能性があります。ご意見・ご要望もぜひお聞かせください。 お問い合わせはこちら → 最近の更新を見る →
基礎知識

LOD とは? BIM の「作り込み度合い」をわかりやすく整理

BIM の LOD(Level of Development / Level of Detail)とは何かを解説。LOD100〜500 の意味、Detail と Development の違い、フェーズとの対応、よくある誤解までまとめます。

約 5 分で読めます

「このモデル、LOD いくつで作る?」——BIM の打ち合わせでよく出る質問ですが、LOD の意味は意外とあいまいに使われています。形の細かさのこと? 情報の量のこと? この記事で LOD を整理します。

この記事のポイント
  • LOD は、モデル要素の 作り込みの度合いを示す指標
  • 「Detail(形の細かさ)」と「Development(情報の信頼度)」の2つの意味がある
  • LOD100〜400 は「設計がどこまで固まったか」の段階。LOD500 は 400 の上ではなく「実物を測って作った」ことを表す別物
  • 「全部を高 LOD に」は誤り。必要なところを必要なだけが原則

LOD の2つの意味

LOD という略語には、しばしば2つの異なる意味が込められます。ここを区別すると一気に分かりやすくなります。

Level of Detail

形の細かさ

  • ジオメトリがどれだけ詳細か
  • 「見た目」の精緻さ
Level of Development

情報としての信頼度

  • 形+属性が「どこまで確定し、頼れるか」
  • 意思決定に使える情報の成熟度

重要なのは Development(信頼度) の視点です。きれいな 3D(Detail が高い)でも、寸法や属性が仮置きなら、それを根拠に発注はできません。LOD は「見た目の細かさ」だけでなく「その情報をどこまで信じてよいか」を表します。

LOD の段階(100〜500)

ここでは、もっとも広く参照されている米国 BIMForum の LOD Specification 2025 の考え方で説明します(国や規格によって用語や番号の付け方は違います。国際規格の ISO 7817-1 は「LOIN(必要な情報の詳細度)」という別の枠組みで同じ問題を扱っています)。

LOD 100

概念。おおよそのボリューム・位置を示す程度。

LOD 200

概略。おおまかな形状・寸法・属性を持つ。

LOD 300

詳細。確定的な形状・寸法・属性。設計の根拠になる。

LOD 350

取合い。他要素との接続・干渉まで表現。

LOD 400

製作。施工・製作に使えるレベル。

LOD 500

既存・竣工状態。実物の観測・現地確認をもとに作ったもの。精度の明記が必要。

100〜400 は数字が大きいほど「設計として確定している」ことを表し、それだけコストと手間もかかります。下の段の要件を上の段がすべて含む「積み上げ」の関係です。

ただし LOD500 だけは例外です。BIMForum は「LOD500 は LOD400 より高い段階を意味しない。要素の形が、これから作るものの設計ではなく、すでにあるものの観測から決まったことを示す」と定めています。つまり「最上位の LOD」ではなく、「設計モデルか、実測モデルか」という種類の違いです。

フェーズとの対応

実務では、プロジェクトの進行とともに LOD が上がっていくのが一般的で、目安は次のとおりです。ただし BIMForum も「LOD と設計段階に厳密な対応はない」としていて、同じ時点のモデルにも LOD の違う要素が必ず混ざります。どの要素をどの時点でどの LOD にするかは、案件ごとに BEP(BIM 実行計画)で決めます。

企画・基本構想

LOD 100〜200

ボリュームスタディや概略検討。細部は不要。

基本〜実施設計

LOD 300〜350

確定的な寸法・属性、取合いの整合。

施工・製作

LOD 400

製作・施工に耐える詳細。

竣工・維持管理

LOD 500

実測・現地確認で作り直した要素。設計モデルの延長ではない。

よくある誤解

⚠️

「LOD は高いほど良い」——誤りです。 高 LOD は手間とコストを伴います。基本設計の段階で全要素を LOD400 にするのは無駄が大きい。目的に対して必要なところを必要なだけ上げるのが正解です。

「LOD = 形の細かさだけ」——不十分です。 形が詳細でも属性が空なら、情報としての信頼度(Development)は低いまま。BIM の本質は情報であることを思い出しましょう。

まとめ

LOD を「見た目」ではなく「どこまで信じてよい情報か」で捉えると、過剰なモデリングを避けつつ、必要な品質を確保できます。

関連記事